猫棚

猫本などの整理整頓

猫には負ける

 

 

詩人と、その飼い猫ツイラク・ミーちゃんにまつわるお話が柱。怪我したり病気したり恋?もあったり。ミーちゃんは家猫と野良猫の間なので、「彼女が外出先でいつ死んでもしかたがないと、覚悟しなければならないのである」という。

 

そうそう、猫と人の関係はかつてそれが普通だった。だから、私も、飼ってる猫がいなくなってしまった経験が幾度もある。そのたびに、猫の生涯に人間は関われないのだ、そういうものだ、と自分に言い聞かせた。なんらかの事故で帰ってはこられなくなったのかもしれないし、あるいは彼女を追って迷子になったり、またはただ遠く旅立ちたくなったのかもしれないし。なにしろ人間には関われない、どうしようもない、猫には猫の運命がある。

 

というようには思わない人がこのごろは増えたらしく、監禁飼いが正しいという世の中の空気に、どうもついていけなくて、困惑するなか、こういう本に出合えるとほっとする。って、まあ筆者は私よりも年上の方なんで、これで平均だと思うけれど。

 

詩、詩人における猫の話題も豊富で楽しい。代表的といえる萩原朔太郎については、どうも「朔太郎は猫が好きではなかったのだな」との視点で、私はこれに強く同意した。朔太郎って猫を知らない、とずっと思ってきたので。もし画家だったらまるで真実味のない猫を描くだろう。表現する人がどれだけ猫を知っているか、猫好きにはよくわかる。